現在、三線の胴(チーガー)は、外国製が主流になりつつあります。以前までは、チャーギという木を使用した国産チーガーが主でしたが、近年では作り手が不在になり、安い外国製のチーガーが広く使われるようになっています。
国産チーガーとして有名なのは桃原チーガーですが、チーガー職人の桃原栄仁氏が他界されてから生産が終了となり、現在市場に出回っている数だけが手に入る桃原チーガーになりました。
盛嶋開鐘の胴が特殊な彫りをしてあるように、三線の音に大きな影響を与えるのは胴です。その構造、木材を研究した桃原氏のチーガーは、音にこだわる三線弾きにとって今後益々貴重なものになりそうです。みなみ三線店では、限られた桃原チーガーを、オーダーメイドのお客様のみの専用オプション販売として取り扱っています。
桃原製のノーマルチーガーです。木はチャーギを使用しています。
通常、真壁用、南風原用、与那城用のように、各三線の型に合わせて胴が作られています。南風原の胴は、真壁に比べて薄めに作られています。
また、知念大工用の胴は、内径の真ん中が盛り上がっています。仮にインターネットや三線店にて胴だけの購入を検討されている方は、それぞれの型にあった胴がありますので、お気をつけくださいね。
生前、チーガー職人の桃原氏は音質の向上のため、様々な彫りを試されていました。
盛嶋開鐘型のチーガーにおいては、復刻版(盛嶋開鐘の胴を忠実に再現)、盛嶋開鐘の溝をなくしたもの、そして桃原氏自身の改良を加えた盛嶋開鐘型大音通の3種類があります。
皮の具合によって異なりますので一概には言えませんが、盛嶋開鐘型はノーマルチーガーに比べて余韻が美しいと言われます。
それぞれ数が限られているので、今では貴重な胴材となっています。
こちらは、非常に珍しい2色タイプのチーガーです。音にこだわる桃原氏が作成された、チャーギとクワーギを半々に組み合わせて作成した胴です。チャーギで作られた胴よりも、若干重さがあります。クワーギの硬さが音にどのように影響を及ぼすのか、大変興味深い胴です。こちらは、彫りなしのノーマルと、盛嶋開鐘大音通の胴と2種類あります。
人気がある西平開鐘型の桃原チーガーです。木の材質はチャーギでできています。
盛嶋開鐘型と西平開鐘型の音の違いは明確には表現しづらいのですが、両者ともノーマルチーガーより余韻が美しく、西平開鐘型はすっきりした音がします(皮の張りにもよります)。
音作りに悩まれている方は、盛嶋開鐘型や西平開鐘型のような特殊胴を試してみると良いかもしれませんね。今までと違った音に出会えると思います。